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私はなぜ裁判で闘うのか

裁判で争うのは日本の社会風土に馴染まないし、費用も時間もかかります。それでも私が裁判で闘うのは、この公正さを失いつつある日本の中で、裁判が弱者が権力側と闘うための唯一の手段だと思うからです。

日本から公正性や公平性が消えた理由

私はなぜ裁判で闘うのか、みなさんに裁判や告発をお勧めする前に、お話ししておきたいと思います。

ここ数年、日本にもグローバルスタンダードや市場原理主義、国際会計基準、コンプライアンスといった概念が導入されてきました。これらは法治主義の世界で通用している概念です。
とはいえ日本は、社会契約説に基づいた法治の理念で国家経営がなされてきた国であるとは言いにくいでしょう。むしろ日本は古代の律令制の枠組みのままで今までやってきたと思うのですが、それでも律令制の原点は「仁政を施す」ということにあるわけですから、その枠組みの中で公正性や公平性が保っていれば、法治主義の世界の概念を輸入しなくても先進国的な疑似民主主義が実現できていたのかもしれません。

日本から公正性や公平性が消えた理由民営化された郵政事業4会社のひとつとして、郵便事業(株)という物流会社があります。ここが、郵便の輸送事業を行っている日本郵便逓送(株ところがここ数年、社会契約説の世界で成り立っているコンプライアンスなどの手法が導入されてきたわけですが、日本人全員がすぐに頭を切り替えて、こうしたグローバルスタンダードに合わせて行動できるわけではありません。
むしろどうなったかというと、律令制の悪い部分と、グローバルスタンダードのダメなところの悪いところ取りをしたような結果になっているのが現在の日本だと思うのです。おそらくそれは、律令制の世界で一番の強者になっている政治家や官僚といった人たちと、グローバルスタンダードの世界で一番強者になっている大企業や外国資本、弁護士・会計事務所などの強い人たちが、自分たちにとってもっとも都合のいいところだけを、みんなに押しつけているからだと思うのです。

弱者が権力側と闘うための唯一の手段は裁判

本来の法治主義の思想は、徹底的に収奪しようとする王権に対して、被統治者や一般民衆の権利を守るために革命を通して勝ち取られてきたものですし、律令制の考え方は、「天に代わって民に仁政を施す」支配ということで形作られてきたものです。
それは民を殺してしまったら、統治者も存続基盤もなくなってしまうから、「生かさず殺さず」にしてお弱者が権力側と闘うための唯一の手段は裁判こうということかもしれません。どちらにしても支配者は、「被支配者を搾取しよう」としているのです。
ところが現在は、2つのシステムの中で、権力側にとって都合のいいところだけが弱者に押しつけられているのが現状でしょう。だからわれわれは、黙っていては殺されてしまう寸前のところまで追い込まれているわけです。

そういう状況の中で、弱者が権力側と闘うための唯一の手段は裁判しかないと私は思います。西洋的な考え方にしても、律令制の発想にしても、法の上での平等というのが、権力と闘うための最後の砦なのです。中途半端に妥協すると、抹殺される結果になるだけです。憲法に保障されている裁判を行う権利に活路を見いだすしかないと私は考えているわけです。

「訴訟社会アメリカ」の虚像

ところで、律令制の中に生きている日本の支配者たちは、アメリカ型のグローバルスタンダードが持ち込まれると、法の下での第三者的な問題解決方式が自分たちの権限を侵すことになり都合が悪くなるので、「やはり日本はアメリカのような訴訟社会にはならないんだよ」と宣伝していると思います。
「だからアメリカでは弁護士が金もうけのために裁判をしている」とか、「洗った猫を乾かすのに電子レンジに入れたら死んでしまったのでばく大な損害賠償請求を起こした」といった話が、まことしやかに流れていたりするわけです。

「訴訟社会アメリカ」の虚像もちろん私も、行き過ぎた訴訟社会は望ましいとは思っていません。しかしこうした権力側の主張は極論でしかないと思います。
マクドナルドのコーヒーをこぼして火傷を負ったので数億円の損害賠償請求をされるのが異常だというのはわかりますが、それでは社会保険庁のように数千億円もの不正による迷惑を社会にかけてもほとんど処罰の対象になっていないケースと、どちらがまともだと言えるでしょうか。比較できないことです。
そうした行きすぎた訴訟がアメリカの裁判全体の何%くらいあって、それが社会経済的に見てどの程度の問題であるのかを考えると、異常な訴訟のケースは許容範囲の話なのではないでしょうか?

確かに裁判は弁護士費用がかかるし、時間もかかりますから、「目先の労力やそれによって得られたものを比較すると、もっと賢く振る舞ったほうがいい」というご意見はあるかもしれません。しかし当社はこうした信念を貫き通していますし、裁判のノウハウも蓄積してきました。そうした姿勢こそが、当社が地方企業として存続できる強みのひとつになっているのではないかと思います。


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