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絆メール (2) 8年間の市政の検証/市立病院移転問題

役所の役所による役所のためのビッグプロジェクトは財政破綻の元

鹿児島県において前知事時代に新県庁舎建設に600億円以上、県庁跡地に建てられた県民交流センターに350億円が無駄に支出され、1000億円近く県の借金が増えました。只でさえ、自主財源が30パーセント未満の貧乏県である鹿児島県の財政は著しくひっ迫しました。お金が無ければ必要な政策も行えず、県勢浮揚に悪影響を及ぼしました。

この2つの関連した重要プロジェクトは、前知事が独断で決定したと仄聞しています。意思決定や事業計画確定までの経緯について、行政機関として然るべき情報開示や説明責任がなされなければいけないのですが、なされていません。

あなたは市立病院移転プロジェクトについて、何を、どこまで、ご存知ですか!?

ところで、市立病院がJT跡地に新築移転することは市民の皆さんは既にご存知の事と思います。移転費用は総額250億円以上と理解しています。しかも、未確認情報ですが、市立病院の新築工事は既に着工したようです。仮に未着工としても、250億円以上かかる市立病院移転という重大プロジェクトに関して、『事業収支』や『どんな病院になるのか』等の移転計画の概容について、未だ、市行政当局から市民に対して然るべき説明はなされていません。

私達市民の税金が250億円も投入されるプロジェクトが私達市民から意見を聴取することも無く、スタートするようです!?市立病院移転プロジェクトも前述の鹿児島県の事例の二の舞となり将来の市政に対して致命的な悪影響を及ぼさないという保証はありません。

鹿児島市の財政は決して健全ではありません。

鹿児島県にとっての1000億円。鹿児島市にとっての250億円。

『鹿児島市の財政は鹿児島県の財政とは違い健全である。だから、市立病院の場合は心配する必要がない。』

この考えは大きな誤解です。鹿児島市の財政は必ずしも、健全ではありません。自主財源率は44%。決して、潤沢ではありません。

借金も280億円あります。鹿児島市土地開発公社などの債務超過の外郭団体が抱えている借金・過去勤務債務(将来的に支払義務が発生する職員退職金)・その他の簿外債務(隠れ借金)合計で数百億円はあります。一説には1000億円近くあるとも言われています。

市立病院移転プロジェクトが市政に与える影響

やはり、市にとっても250億円を超える投資である市立病院移転プロジェクトは重要プロジェクトであり、衆知を集めて万全を期して事業計画を作った上で、行うべき規模のプロジェクトであります。
しかしながら、市立病院移転プロジェクトについて、計画決定までの経緯に関し、計画概容に関し、情報開示も説明責任の履行もありません。

『誰がどうやって計画の妥当性や経済合理性を検討し、誰がどうやって意思決定したのか?』
市民は知る由も無いのです。

市立病院移転プロジェクトが市政に与える影響はこの事案が単独プロジェクトではないという点もポイントです。

『鹿児島市交通局の車庫を移転し、跡地を売却して市立病院の移転費用の一部にあてる。』
『鹿児島駅周辺の取得済み用地に交通局の車庫を新築する。』という事業計画になっていること。
その鹿児島市交通局は毎年約6億円の赤字で市本体から毎年6億円もの資金が流出しています。ちなみに、10年で60億円、20年で120億円です。
市立病院移転後、病院跡地の活用が市政上重要な責務になります。どう活用するのか?その時の財源をどうするのか?課題山積です。

鹿児島市においては、近年、脳外科、整形外科、産婦人科、婦人科、小児科等々の分野で民間の医療機関が専門に特化して高いレベルで医療サービスを提供するようになりました。
その中で、コストの高い公設公営の総合病院である市立病院の経営をどうしていくのかという課題を解決しなければならないのです。その問題に目を背けて『箱もの』だけを作ることは、市立病院が大赤字になるかもしれないという将来リスクを無見識に取ることになるのです。

私たち市民がなすべきこと

鹿児島県が県庁跡地に県民交流センターを建ててその後数億円の維持費の支出に苦しんだこと以上に前述のポイントは深刻な問題として市民一人一人が考えなければならないのです。

私達市民は11月までに市の執行部に対して市立病院移転プロジェクトについての然るべき説明を行うことを求めるべきです。そして、市執行部の示した移転計画が妥当性や経済合理性を欠く時は計画の見直しを求めるべきです。当然市議会にも働きかけなければいけません。
私達は市立病院不要論を展開しているのではなく、必要だからこそ、経営に行き詰まらないちゃんと存続可能なものを作るべきだと主張しているのです。

仮に、市執行部が説明責任を果たさない時、もしくは、計画の修正を受け入れない時、11月の自分の一票について正しい権利行使を行わなければいけません。
鹿児島を変えるために『維新する』とは、市政に関心を持ち、市執行部や市議会議員の一人一人に然るべきメッセージを伝え、最後は貴方の一票の権利をしっかりと行使することです。


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